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3月 19, 2019

原美術館

品川駅から徒歩5分ほど、閑静な住宅地を進むと原美術館の門が見えてくる。1938年竣工、設計は様々な様式を手がけた渡辺仁、20世紀初頭のごく短い期間に流行したアール・デコ建築の一つとしても位置付けられている。建物の佇まいも魅力的だが、裏庭の静かに揺れる木立や室内に差し込む柔らかな陽光が印象的であった。昔ながらの百貨店に見られるような黒大理石の階段が重厚感を醸し出す一方で、スーッと伸びる白い壁が建物全体に明るく健康的な印象を与えている。もともとは私邸であるが、むしろハッとするような演出が建物の至る所に埋め込まれているように思う。エントランス受付でチケットを購入して、振り返って館内に視線を移すと、廊下の真ん中に堂々とした太柱があり、その先には緩やかに湾曲した真っ白い壁が伸びている。折り返し階段を上って振り返った時にも同様の感覚。帰り際、エントランスを出ると、入ってきた時には気づかなかった大理石の角柱とその向こうに円形キャノピーが正面に現れて、思わず「おおっ」と声が出てしまう。タイルに突きつけの大理石、細かなアイアンワークなど、見ていてとても楽しい建築である。

written by kentaro nagasawa
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